国際税務コラム

外国人(所得税申告)

【外国人(非居住者)】日本不動産オーナーの所得税確定申告

<<For Non-Japanese Speakers>>

Please refer to our English article “Japan real estate income tax, capital gain tax for Non-resident individuals (foreigners)”

 

<<弊社での「2018年度・非居住者である外国人(日本不動産オーナー)の確定申告代行サービス」について>>

 日本の不動産オーナーである外国人より直接英語で弊社にお問い合わせ頂くケースもございますが、不動産会社の方より外国人の不動産所得に係る個人所得税申告の英語による相談窓口としてご紹介頂くケースもございます。提携などのご相談もお気軽にご連絡頂ければ幸いです。外国人の方へのサービス向上のお手伝いをさせて頂きます。外国人のお客様と直接英語でやり取りさせて頂くことも可能です。

 

【参考費用】

費用は別途お見積りさせて頂きますが、例えば非居住者で日本国内で不動産所得のみを有する場合は、納税管理人費用も含めて120,000円+税/人となります。

 

お問合せフォームでは24時間受け付けております。お気軽にご連絡下さい。

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居住形態の確認(居住者?非居住者?)

まずはその外国人の方が居住者なのか非居住者なのかという『居住形態の確認』が必要になります。

日本に住んでいない外国人が日本の不動産を購入した場合、基本的には非居住者に該当することになります。その場合日本での税務上の取扱いや手続はどうなるのか? について本記事にてご紹介させて頂きます。

 

なお、居住者か非居住者の定義は下記の記事をご参照ください。

外国人(日本駐在員)のための所得税確定申告

 

不動産賃料収入(不動産所得)に係る確定申告

日本に住んでおらず非居住者であったとしても、日本での不動産賃料収入については日本の国内源泉所得に該当するため、日本での確定申告が必要になります。とはいえ、日本には住所がありませんので、『納税管理人』を選任して、『納税管理人』が代わりに確定申告・納税(還付)手続きを行うことになります。

 

非居住者の課税範囲

日本の所得税法上、居住者は原則として、日本国内だけでなく国外も含めた全世界所得が課税対象とされますが、非居住者は日本国内で稼得した「国内源泉所得」のみが課税対象とされます(所法161)。

 

平成29年分以降の「国内源泉所得」の範囲は下記の通りです(所法161①~⑰)。

 

不動産所得は「国内にある不動産や不動産の上に存する権利等の貸付けにより受け取る対価」に該当しますので、国内源泉所得として日本で課税されるという結論になります。

 

【国内源泉所得の範囲】

  1. 恒久的施設帰属所得
  2. 国内にある資産の運用又は所有により生ずる所得
  3. 国内にある資産の譲渡により生ずる所得
  4. 組合契約等に基づいて恒久的施設を通じて行う事業から生ずる利益で、その組合契約等に基づいて配分を受けるもののうち一定のもの
  5. 国内にある土地、土地の上に存する権利、建物及び建物の付属設備又は構築物の譲渡による対価
  6. 国内で行う人的役務の提供を事業とする者の、その人的役務の提供に係る対価
  7. 国内にある不動産や不動産の上に存する権利等の貸付けにより受け取る対価
  8. 日本の国債、地方債、内国法人の発行した社債の利子、外国法人が発行する債券の利子のうち恒久的施設を通じて行う事業に係るもの、国内の営業所に預けられた預貯金の利子等
  9. 内国法人から受ける剰余金の配当、利益の配当、剰余金の分配等
  10. 国内で業務を行う者に貸し付けた貸付金の利子で国内業務に係るもの
  11. 国内で業務を行う者から受ける工業所有権等の使用料、又はその譲渡の対価、著作権の使用料又はその譲渡の対価、機械装置等の使用料で国内業務に係るもの
  12. 給与、賞与、人的役務の提供に対する報酬のうち国内において行う勤務、人的役務の提供(内国法人の役員として国外において行う勤務その他の政令で定める人的役務の提供を含む。)に基因するもの、公的年金、退職手当等のうち居住者期間に行った勤務等に基因するもの
  13. 国内で行う事業の広告宣伝のための賞金品
  14. 国内にある営業所等を通じて締結した保険契約等に基づく年金等
  15. 国内にある営業所等が受け入れた定期積金の給付補てん金等
  16. 国内において事業を行う者に対する出資につき、匿名組合契約等に基づく利益の分配
  17. その他の国内源泉所得

 

確定申告が必要?課税方法は?

上述の通り、不動産の貸付けを行い賃料収入を得ている場合、それは国内源泉所得に該当し、不動産所得として確定申告が必要になります(所法5②、所法161①七、所法164①二、所法165)。

 

賃料収入に対して課税されるわけではなく、下記の通り、賃料収入等から必要経費を控除した残額に対して税率をかけて所得税が計算されます。

 

  • 総収入金額 – 必要経費=不動産所得の金額

 

計算方法の詳細は国税庁のウェブサイトも参考になります。

国税庁タックスアンサー『No.1370 不動産収入を受け取ったとき(不動産所得)』

 

税率は?

不動産所得については「総合課税」により課税されます。「総合課税」制度とは、各種の所得金額を合計して所得税額を計算するというものです。

 

所得税の税率は、分離課税に対するものなどを除くと、5%から45%の7段階に区分されています(下表参照)。いわゆる、累進税率で所得が高ければ高いほど、高い税率が適用されます。最大で45%です。

 

国税庁ウェブサイト(参照)

所得税の速算表
課税される所得金額 税率 控除額
195万円以下 5% 0円
195万円を超え 330万円以下 10% 97,500円
330万円を超え 695万円以下 20% 427,500円
695万円を超え 900万円以下 23% 636,000円
900万円を超え 1,800万円以下 33% 1,536,000円
1,800万円を超え4,000万円以下 40% 2,796,000円
4,000万円超 45% 4,796,000円

 

(注) 例えば「課税される所得金額」が700万円の場合には、求める税額は次のようになります。
 700万円×0.23-63万6千円=97万4千円

※ 平成25年から平成49年(2037年)までの各年分の確定申告においては、所得税と復興特別所得税(原則としてその年分の基準所得税額の2.1%)を併せて申告・納付することとなります。

 

源泉徴収される場合(原則)

非居住者や外国法人から日本国内にある不動産を賃借して、日本国内で賃借料を支払う者は、非居住者等に対して賃借料を支払う際に、20.42%の税率で、所得税及び復興特別所得税を源泉徴収しなければなりません

 

ただし、実務的には下記の例外に該当する場合も多く、その場合には源泉徴収は不要となります。

 

源泉徴収されない場合(例外)

個人の方が自己又はその親族の居住の用に供するために、非居住者等から不動産を借り受けている場合には、その個人の方は、賃借料支払の際源泉徴収をしなくても良いことになっています。

 

不動産売却による譲渡所得に係る確定申告

不動産賃料収入(不動産所得)と同様に、売却により譲渡所得を得た場合には、日本での確定申告が必要になります。こちらも『納税管理人』が代わりに確定申告・納税(還付)手続きを行うことになります。

 

確定申告が必要?課税方法は?

上述の非居住者の国内源泉所得の範囲にあります通り、非居住者による不動産売却に係る譲渡所得は「国内にある土地、土地の上に存する権利、建物及び建物の付属設備又は構築物の譲渡による対価」として国内源泉所得に該当するため、日本で確定申告が必要になります。

 

その所得については居住者が受ける場合に準じた所得計算を行うため、他の所得とは分離して課税(申告分離課税)されることになります(所法5②、所法161①五、所法164①二、所法165)。前述の不動産所得については総合課税となりますが、譲渡所得については居住者と同様に、申告分離課税となります。

 

税率は?

長期譲渡所得の課税の特例も原則として非居住者にも適用されるため、所有期間によって長期譲渡所得と短期譲渡所得の二つに区分し、税金の計算も別々に行うことになります(措法31)。

  • 長期譲渡所得(譲渡した年の1月1日において所有期間が5年を超えるもの):15.315%
  • 短期譲渡所得(譲渡した年の1月1日において所有期間が5年以下のもの):30.63%

 

源泉徴収される場合(原則)

日本の所得税法上は、非居住者や外国法人(以下、「非居住者等」)から日本国内にある土地等を購入して、その譲渡対価を国内で支払う者は、非居住者等に対して対価を支払う際に、10.21%の税率で、所得税及び復興特別所得税を源泉徴収しなければなりません

 

日本国内にある「土地等」には、土地の他、土地の上に存する権利、建物及びその付属設備、構築物が含まれます。ただし、鉱業権(租鉱権及び採石権その他土石を採掘し又は採取する権利を含む。)、温泉を利用する権利、借家権及び土石(砂)などは含まれません。

 

なお、この場合の源泉徴収義務者は「土地等の譲渡対価の支払をする者」であるため、給与の支払者であるかどうかは問わず、一般のサラリーマンなども非居住者等に対して土地等の譲渡対価を支払った場合には、原則として源泉徴収義務者になるため、注意が必要です。

 

ただし、下記の通り「例外」があります。実務的にはこの「例外」に該当するケースも多く、その場合は源泉徴収されません。

 

源泉徴収されない場合(例外)

下記のいずれにも該当する場合には、その個人の方は源泉徴収をしなくても良いことになっています。

  1. 個人の方が自己又はその親族の居住の用に供するために、非居住者等から土地等を購入した場合であって、
  2. その土地等の譲渡対価が1億円以下である場合

 

従って、法人であれば源泉徴収が必ず必要になります。

 

なお、1億円を超えるかどうかの判定に当たっては、例えば、当該土地等を居住の用と居住の用以外の用とに供するために譲り受けた個人から支払われるものである場合には、居住の用に供する部分に係る対価の金額及び居住の用以外の用に供する部分に係る対価の金額の合計額により判定することになっているため、注意が必要です。

 

非居住者の所得控除

上述の通り、非居住者であっても日本の不動産所得や譲渡所得は日本で確定申告が必要になりますが、居住者と同様に、各種所得控除がすべて適用されるのでしょうか?

 

答えばNoです。非居住者でも適用できる所得控除は下記の3つに限定されています。

 

  1. 雑損控除
  2. 寄附金控除
  3. 基礎控除

 

納税管理人の選任と確定申告期限(誰がいつまでに申告?)

納税管理人を定めて「所得税の納税管理人の届出書」を納税地の所轄税務署長に提出しなければならないため注意が必要です(国通法117)。

 

なお、申告期限は居住者と同様に、翌年の3月15日が申告・納付期限です。

 

納税管理人選任の詳細については下記記事をご参照下さい。

非居住者のための納税管理人(Tax Agent)とは?

 

還付申告

上記の通り、非居住者であっても日本での確定申告が必要になるのですが、確定申告の手間がかかるというデメリットだけではありません。確定申告を行うことにより還付される可能性も考えられます。

 

前述の通り、売却した場合も賃貸した場合も、その金額や借り手・買い手の状況等にもよりますが、非居住者の場合は売却金額・賃借料について源泉徴収されている可能性があります。通常、最終的な確定税額よりも多く源泉徴収されている可能性が高く、確定申告をすることにより還付されるケースも多くあります

 

非居住者なので住民税は課税されない

住民税は毎年1月1日時点で日本国内に住所を有する者の、その「前年度の所得」に対して課税されます。

 

従って、賃料を受け取った年や譲渡所得を得た年の翌年1月1日時点で日本に居住していなければ、それらの所得に対して住民税は課税されないこととなる。

 

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【参考費用】

費用は別途お見積りさせて頂きますが、例えば非居住者で日本国内で不動産所得のみを有する場合は、納税管理人費用も含めて120,000円+税/人となります。

 

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