国際税務コラム

ラブアン法人・就労ビザ

ラブアン法人の就労ビザ・家族帯同ビザの要件【2018年最新】

ラブアン法人の就労ビザ(Work Permit)申請要件は?

2015年3月1日より新しいガイドラインに基づいた運用が始まっています。

Labua FSA “Guidelines on Work Permit Application in Labuan IBFC for Non-Licensed Entity” 

 

このガイドラインには、就労ビザ(Work Permit)の申請要件も規定されています。また、FAQも公開されていますのでこれらも参照することがでいます。

 FAQs for Guidelines on Work Permit Application in Labuan IBFC

 

給与は月額RM10,000以上(ガイドライン5.1)

就労ビザを取得する方の給与は月額RM10,000(又は外国通貨でその相当額)以上である必要があります。

1マレーシアリンギット = 27円とすると、約270,000円以上の月額給与の支払いが必要ということになります。この要件は重要です。

 

下記、ガイドライン原文

5-1 The expatriate shall be paid a minimum salary of RM10,000 per month or its
equivalent in any foreign currency.

 

なお、「給与」の中には基本給だけではなく、各種手当、現物給与、社宅などの課税所得も含まれます。

 

経営陣・専門家等のハイ・ポジションであること(ガイドライン5.2)

就労ビザを申請する方のラブアン法人でのポジションがCEOや専門家(会計士や弁護士、コンサルタントなど)、特殊技能保持者(ITスペシャリストなど)である必要があります。

 

通常はラブアン法人の代表者の方の就労ビザ申請になるかと思いますので、その場合は特に気にする必要はありません。

 

以下、ガイドライン原文

5-2 The application for work permit should be in respect of the following positions in
Labuan entity as specified by the Immigration Department of Malaysia:

  • 5.2.1 Top management e.g. Executive Director, Managing Director, Principal
    Officer, Chief Executive Officer, Chief Financial Officer, Chief Operating
    Officer.
  • 5.2.2 Professional e.g. Accountant, Lawyer, Consultant, Underwriter, Economist,
    Engineer, Actuary.
  • 5.2.3 Technical expert e.g. IT Specialist or other specialists related to Labuan
    trading activity.

 

また、ガイドライン5.3には、そのポジションに関連した職歴等があることが求められています。後述の事業計画書にも関連しますが、そこできちんと説明できれば特に気にする必要はありません。

 

資本金額はRM250,000以上(ガイドライン5.4)

ラブアン法人の資本金額は250,000マレーシアリンギット(又は外国通貨でその相当額)以上である必要があります。この要件も重要です。

 

1マレーシアリンギット = 27円とすると、約6,750,000円以上の資本金が必要ということになります。シンガポールでは就労ビザ取得のためにいくら以上必要という規定は存在しないため資本金をいくらにするかどうか非常に判断が難しいのですが、ラブアン法人の就労ビザの場合はこのガイドラインがありますので、基本的には250,000マレーシアリンギットを超えていれば、基本的には申請要件を満たすと判断できます。

 

下記、ガイドライン原文

5-4 The paid-up share capital of Labuan company or contribution by member(s) of
Labuan partnership, must be at least RM250,000 or its equivalent in any foreign
currency.

 

ラブアン法人の事業計画書の提出(ガイドライン6.2.1)

ガイドライン6.2では就労ビザ申請時に提出すべき書類について記載されています。その中で重要なのは6.2.1のラブアン法人の事業計画書(Business Plan)です。

 

事業計画書には下記すべてが記載されている必要があります。許可をもらうためにどのような内容で記載すべきかどうかは就労ビザ申請サポートの中でご支援させて頂きます。

 

  • 事業内容の説明(Description of business undertaken)
  • 会社組織図(Organisation chart)
  • 就労ビザ申請対象者の職務記述書(Job Description of the applicant)

 

ラブアン法人の会社住所とマレーシア国内での居住住所が必要(ガイドライン7.2)

申請者はラブアン法人の会社住所とマレーシア国内での居住住所(Residential address)を持つ必要がありますが、その会社住所は下記カテゴリーのうち、いずれかである必要があります。

 

  • ラブアン島内の営業所(Operational office in Labuan)
  • クアラルンプール又はイスカンダール内のマーケティングオフィス(Marketing office in Kuala Lumpur and Iskandar Malaysia)
  • Co-located office

 

当局への住所の届出は就労ビザが承認されてから30営業日以内にすれば良いこととされていますので、就労ビザ申請時に上記住所を持つ必要はありません。就労ビザ承認後に手配すれば問題ありません。

 

マレーシア国内での居住住所については後述します。

 

ラブアン島内の営業所(Operational office in Labuan)の定義

ラブアン島内の営業所(Operational office in Lauan)は、他の会社から独立したオフィスであり(バーチャルオフィスは不可)、事業を遂行する上で適切な場所である必要があります。また、営業所は独立した入り口があり、事業を行うために必要な事務機器(デスク、椅子、電話、FAX、コンピューター端末)を備えている必要があります。そして、その営業所は事業目的のみに使用されなければならない、とされています。

 

さらに、ラブアン島内の営業所はその営業所の入り口に下記2つが記載されたサインボードを張り付ける必要があります(通常はその要件を満たすために、必ず業者が貼り付けますのでお客様自身が自分で張り付けるということはありません)。

 

  • ラブアン法人の会社名
  • 法人登録番号

 

なお、ラブアン信託会社の住所がラブアン法人の登録事務所(Registered office)の住所として登録されていますが、そのRegistered office addressを上記の営業所住所として使用することはできません(Labuan FSA FAQ6参照)。

 

マレーシア国内の居住住所(Residential address)

上述の通り、ラブアン法人の会社住所だけでなく、申請者のマレーシア国内での居住住所(Residential address)も必要になります。

 

Residential addressとは、『宿泊するのに適していて、かつ、十分な人数が住める環境であること十分に人を収容できる場所』とされています。また、賃貸借契約書(Tenancy Agreement)のコピーを提出する必要があります。

 

Labuan FSA FAQ原文

12. What is the definition of a residential address in Labuan?

A residential address means a place which is fit for accommodation as well as able to house
sufficient number of persons.

The applicant should provide evidence of place of residence in Labuan by furnishing a copy of the tenancy agreement if the place is rented or if the residence is owned by the applicant furnish a copy of sale and purchase agreement, memorandum of charge or transfer of property.

 

また、Residential addressについて下記の通りLabuan FSA FAQでは、『事務所の住所をResidential addressとして使用することはできないが、ホテルやサービスアパートメントは契約があればResidential addressとして使用できる』とされています。

 

16. Is Labuan FSA able to accept the following in lieu of a Labuan residential address for
work permit application:

  1. Provide the office’s address in Labuan; or
  2. Provide hotel/service apartment receipts / bookings for the stay periods?

The office’s address could not be used as a residential address. However, if the work permit
applicant’s residential address is at a hotel/ service apartment, the applicant must furnish the
address of the hotel and a copy of the contract/agreement between the hotel/ service
apartment and the company.

 

なお、Residential addressも原則として就労ビザ承認後、30日以内にラブアン信託会社を通して当局に連絡することになっていますので、就労ビザ申請時に必要というわけではありません(状況によっては、その期限の延長を当局に相談することも可能です)。

 

ラブアン島以外の場所(クアラルンプール・ジョホールバル)をResidential addressとすることはできるか?

Residential addressですが、マレーシア国内であれば問題ないため、ラブアン島以外の場所(西マレーシアのクアラルンプール・ジョホールバル)とすることも可能です。

 

ただし、その場合はマーケティングオフィスを設置する必要があります。ラブアン島内に営業所だけを持つ場合にはResidential Addressはラブアン島内である必要があります。

 

例えば、クアラルンプールにマーケティングオフィスを設置して、クアラルンプールをResidential addressとすることは可能です。クアラルンプール・イスカンダル地区(ジョホールバル)のマーケティングオフィス設置については下記をご参照下さい。

ラブアン法人のマーケティングオフィス設置・要件の詳細解説

 

家族帯同ビザの対象は?

就労ビザには、その申請者の配偶者と21歳未満の子供の家族帯同ビザも付与されますので、ご家族での移住が可能です。

 

ビザの期間は2年の更新制

就労ビザ、ご家族帯同ビザともに承認されるビザの期間は2年間毎の更新制です。

いずれも有効期限が切れる3ヵ月前までに更新の申請を行う必要があります(ガイドライン7.4参照)。

 

ビザ申請はラブアン信託会社を通して行う

ビザ申請はラブアン信託会社(Labuan Trust Company “LTC”)を通して行わなければならない、と規定されていますのでご自身で申請することはできません。

 

ビザ申請時にはRM1,000/USD350の手数料をLabuan FSAに支払う必要がありますが、通常はビザ申請代行費用の中に含まれています。

 

ラブアン・シンガポール移住事前検討コンサルティング

弊社シンガポール事務所(Shimada & Associates Pte.Ltd.)では中小企業オーナー様等のシンガポール移住や上場会社等のシンガポール子会社設立をサポートさせて頂いておりますが、特に中小企業のオーナー様からは法人税率の低いマレーシアのラブアン法人設立(クアラルンプール又はジョホールバルへの移住)とシンガポール移住のどちらが良いのか比較したい、というご要望を多数頂いておりました。

 

そのようなご要望にお応えするため、「ラブアン・シンガポール移住事前検討コンサルティング」をS$1,500のパッケージでご提供させて頂くこととなりました。

 

【対象】

ラブアン法人設立(KL又はジョホールバルに居住)又はシンガポールへの移住をまさに検討されている方で、国際税務のリスクやそれぞれの国の特徴、さらにはどちらの国が適しているのか検討したいが何から手を付けて良いかわからないという方を対象としております。

 

国際税務に特化した税理士事務所が運営しておりますので、国際税務の観点からもどのようなリスクがあるのか等のアドバイスをさせて頂くことが可能です。それぞれの国の専門家に問合せるのも一つですが、網羅的に全体像を見た上でのアドバイスが欲しいという方はご連絡頂ければ幸いです。

 

【コンサルティングの流れ】

 

  1. テレビ会議又は弊社日本又はシンガポール事務所にて30分~1時間程度の事前ヒアリング
  2. 弊社にて1~2時間程度の事前検討
  3. テレビ会議又は弊社日本又はシンガポール事務所にて1~2時間程度のご報告

 

 

【ご報告に含まれる内容】

 

  • 日本の所得税法上の居住者・非居住者判定のポイント
  • 移住時に注意すべきその他国際税務に関するアドバイス
  • ラブアン/シンガポールの比較に関するアドバイス

 

【料金】

S$1,500(なお、上記コンサルティングの流れの2.検討に3時間以上を要する案件の場合には事前に両者協議の上、別途追加費用について請求させて頂く場合がございます。)

 

ご興味のある方はコンタクトフォームよりお気軽にお問合せ頂ければ幸いです。

担当税理士よりコンサルティング内容の詳細を追ってメールにてご説明させて頂きます。