国際税務とは?【海外進出時の基礎】
国際税務とは?
『国際税務』について、特に日本の税法で定義があるわけではありませんので、解釈に差が出てしまう可能性もありますが、いわゆる『国際税務』とは何かについて大枠のイメージを掴んで頂ければ幸いです。
また、広辞苑や大辞泉には『国際税務』は載っていないようです。
2つ以上の国が関わる取引に国際税務は登場します
一般的な解釈というと語弊があるかもしれませんが、ウェブサイトや書籍でよく説明されている国際税務とは、「2つ以上の国が関わる取引に係る税務」ではないでしょうか。
国際税務の最終的なゴールは、その取引により生まれる所得に対する課税権をどの国が持つかどうかを決めることです。
1つの国で完結する取引であれば、その取引から生まれる所得に係る課税権はその国にあり、その国の税法に従ってその所得と税額が算定されることになります。
一方で、2つ以上の国が関わる取引の場合は、それぞれの国の税法(国内法)と《租税条約等》を考慮して、どの国に課税権があり、いくら課税できるのかを判断することになります。
2つ以上の国が関わる取引とは?
例えば、日本の居住者である株式会社Aがシンガポール法人Bにサービスを提供していたとします。この場合、2つの国をまたいだ取引ですので、いわゆる『国際税務』と言えます。
この場合、日本とシンガポールのどちらにどれだけの課税権があるかという問題が起きる可能性があります。
シンプルに考えますと、日本の株式会社Aがサービスを提供しているので、その売上に対する課税は日本でされるべき、と思われますが、状況によってはシンガポール側に課税権があるケースもあります。
わかりやすい例ですと、そのサービスを提供する際に株式会社Aの社員がB国に長期滞在していたり、その株式会社Aがシンガポールに支店を持っていたりすれば、その可能性も検討する必要があります。
株主が外国に住んでいる場合も『国際税務』
上記では法人同士のケースですが、国際税務が出てくるケースは他にも複数あります。
例えば、日本の居住者である株式会社Aの株主の中にマレーシアの居住者である日本人Cが含まれていたとします。
株式会社Aがマレーシア居住者Cに配当を支払うと、その配当に係る課税権は日本とマレーシアのどちらにどれだけあるのかという国際税務の問題が生じます。
国際税務の重要性
日本も国際社会の一員であり、鎖国をしない限り国際化の波は避けられず、徐々に増えていくものと考えられます。
今まで日本国内だけで事業を行っていたとしても、日本一国だけでビジネスが完了するとも限りません。
介護事業であれば、日本でのみ事業が行われるように思われますが、その介護スタッフを東南アジアから招いた場合は国際税務の問題が生じる可能性もあります。
繰り返しになりますが、2つ以上の国が関わる取引であれば、国際税務の問題は生じますので今後はより留意する必要があります。
取引先と契約を締結する前にどのような税務上の問題があるか検討した方が良いケースもありますので、特に金額が大きい場合には事前にご相談頂くことをお勧め致します。
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