シンガポール優遇税制 PICスキームとは?
PICスキームとは?
シンガポールではよく利用されている優遇税制の一つである、PICスキームについてご紹介させて頂きます。
PICとは、Productivity and Innovation Credit(外部-IRASウェブサイト) の略です。
PICスキームとは、特定の活動に係る支出について、下記二つのいずれかを適用することができる、という優遇税制です。どちらかを選択適用することになりますので、両方を適用することはできません。
①400% 損金算入 (各カテゴリーごとにS$400,000/年が上限)
②60% 補助金 (各カテゴリーごとにS$100,000/年が上限) →2016年8月1日以降は40%
特定の活動に係る支出とは?
特定の活動に係る支出は、下記6つのカテゴリーに分けられています。
【対象支出】
① オートメーション機器の購入及びリース
② 従業員の研修費
③ 無形資産の取得費用
④ 商標権等の登録費用
⑤ 研究開発費
⑥ デザイン開発
上記、オートメーション機器にはPCやプリンターの購入なども含まれるため、よく利用される優遇税制の一つとなっています。→オートメーション機器の リスト(外部-IRASウェブサイト)
400%損金算入
その名の通り、①は支出額の4倍の金額を損金に算入できるというものです。最初のS$400,000/年までが400%経費控除の対象となっていますが、2016賦課年度から2018賦課年度の3年間の限度額をまとめて使用することも認められています。
つまり、2016賦課年度においてカテゴリー毎に最大S$1,200,000を使用できます(この場合、2017及び2018賦課年度においては使用できなくなります)。
400%損金算入(中小企業の特例)
また、一定の要件を満たす中小企業については、PIC+ Scheme for SMEs(Small and medium enterprises, 外部-IRASウェブサイト)という特例があります。
400%損金算入の限度額について、各活動につきS$400,000/年とされていた限度額が、2015賦課年度以降は、S$600,000/年に増額されます。ただし、グループ全体で下記のいずれかの要件を満たす必要があります。
・年間売上がS$100,000,000未満であること
・従業員が200人未満であること
60%補助金(Cash Payout)
②60%補助金(Cash Payout)は、支出額の60%をキャッシュバックしてもらえるというものです。Cash Payoutについては、400%損金算入のように、賦課年度の3年間の限度額をまとめて使用することはできません。
Cash Payoutを申請するには、下記の要件を満たす必要があります。
・3人以上のローカルスタッフ(シンガポール国籍またはシンガポールPR保有者)を申請期間の直前3ヶ月以上継続して雇用していること
・シンガポール国内で事業を行っている企業であること
なお、2016年予算において、2016年8月1日以降に発生した費用については、60%ではなく40%へと減額されることが発表されました。
2019賦課年度からPICスキーム廃止
PICスキームですが、2016年予算にて2018賦課年度をもって終了することが発表されました。従いまして、2019賦課年度からは廃止されます。
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