シンガポール Sパス発行厳格化とJobs Bank求人広告掲載義務の範囲拡大
シンガポール就労ビザに関する新たな規制
2018年3月5日付のChannel News Asiaで、シンガポール人材省(Ministry of Manpower)による新たな就労ビザ規制が報じられました。
政府が管理する求人広告 『Jobs Bank』への求人広告掲載義務の範囲が拡大されます。また、シンガポールのSパス発行が厳格化されます。以下、それぞれについて詳細をご紹介します。
求人広告掲載義務範囲の拡大
Channel News Asiaの記事より一部抜粋
『From Jul 1, the Ministry of Manpower(MOM) will broaden the FCF advertising requirement to firms with 10 or more employees and job positions that pay a fixed monthly salary of less than S$15,000』
(日本語訳)
『MOMは、Fair Consideration Framework規制による求人広告掲載義務について、その対象範囲を2018年7月1日以降、従業員10人以上の企業であり、かつ、月額固定給与$15,000未満の職種に拡大する方針である。』
これまでもシンガポール政府は、国民に公平な雇用機会を与えることを目的に従業員25人以上の企業であり、かつ、月額固定給与$12,000未満の職種については、Jobs Bankへの掲載義務を課してきましたが、今回の改正により、より多くの企業が掲載義務を課されるようになりました。
なお、この改正についてMOMに照会を行ったところ、広告掲載が免除されている企業や職種については、ビジネスコストを考慮して強制はしていないものの、掲載できるならそれに越したことはないとの回答がありました。
Sパスの発行厳格化
Channel News Asiaの記事より一部抜粋
『To ensure S Pass holders complement the local workforce and keep pace with rising local wages, Mr. Lim said the minimum qualifying salary for S pass will be increased from the current $2,200 to $2,400. S Pass are usually for mid-level skilled staff.』
(日本語訳)
『MOMのリム氏は、国内で不足しているスキルを補う人材を確保し、また国内の賃金上昇に合わせて、Sパスの取得最低給与を現在の$2,200から$2,400に増額すると発表した。Sパスは、一般的に中技能労働者向けのビザとされている。』
実施は2段階に分けて2019年1月から$100のアップ、2020年1月からさらに$100のアップを予定しています。取り扱いは以下のとおりです。
なお、実際の審査では、給与額のほか、申請者の職務経験や保有スキルも見られます。
また、年齢が上がるにつれ、それなりの実務経験があるとみなされ給与額も高くなる傾向がありますので、申請前にMOMの診断ツール(Employment Pass/S pass Self-Assessment Tool)で確認しておくことが重要です。なお、MOMによると、この診断ツールは2018年11月までにはアップデートされるとのことです。
執筆者:Taeka Kikui
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