非居住者に係る金融口座に関する自動的情報交換制度(Automatic Exchange of Information for Financial Accounts)
OECDで策定された共通報告基準(CRS)とは?
外国の金融機関を利用した国際的な脱税及び租税回避に対処するため、OECDは2014年に、非居住者に係る金融口座情報を税務当局間で自動的に交換するための国際基準である共通報告基準(CRS : Common Reporting Standard)及びその実施細目を公表し、G20がこれを承認しました。
2016年7月末日現在、日本を含む100 を超える国・地域が、2018年(平成 30 年)末までにこの共通報告基準に従った自動的情報交換を開始することを表明しています。
自動的情報交換を開始することを表明している国と地域
金融口座に関する自動的情報交換(Automatic Exchange of Information for Financial Accounts)に表明している国・地域は、2016年7月末日現在、日本を含む100 を超えています。
OECDが公表している「AEOI: STATUS OF COMMITMENTS 」によると、2016年7月26日時点で表明している国・地域は101となっています。
2017年の導入を表明している国は、ケイマンやイギリス領ヴァージン諸島(BVI)、タイなどの54の国と地域です。
また、2018年の導入を表明している国は、香港やシンガポール、パナマなどの47の国と地域です。日本も2018年の導入を表明している国の一つです。
(参考)AEOI: STATUS OF COMMITMENTS
共通報告基準(CRS)で求められること
CRSによれば、各国の税務当局は下記を行うことになります。
① 自国に所在する金融機関から非居住者が保有する金融口座の口座残高、利子・配当等の年間受取総額等の情報の報告を受ける。
② 租税条約等の情報交換規定に基づき、その非居住者の居住地国の税務当局に対しその情報を提供する。
つまり、国税庁が日本所在の金融機関における非居住者情報を提供する一方で、国税庁も外国税務当局から、日本の居住者がその外国の金融機関に保有する口座情報の提供を受けることを意味します。
日本における金融口座情報の自動的交換
上記のCRSに対応するため、日本では平成27年度税制改正において、国内に所在する金融機関から口座保有者の氏名、口座残高、利子・配当等の年間受取総額等の情報を報告させる制度が導入されました。
この制度は、2017年1月1日から施行され、2018年4月30日までに国内に所在する金融機関から初回の報告を受け、2018年9月30日までに初回の情報交換が行われる予定です。
(参考)国税庁ウェブサイト『共通報告基準(CRS)に基づく自動的情報交換について』
(参考)国税庁ウェブサイト『非居住者に係る金融口座情報の自動的交換のための報告制度(FAQ)』
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