シンガポールのコモンシール(Common Seal)とは?
※2017年6月12日更新
第1回取締役会での決議事項
シンガポール法人設立後にまず必要となるのは 「第一回取締役会」 になります。
実務的にはこの「第一回取締役会」議事録は、設立後にやるというよりはむしろ、設立関係書類として事前に作成されることも多いかと思います。
この 「第一回取締役会」 では、会社の登記住所の承認、取締役や秘書役の選任、銀行口座開設 などが織り込まれることが多いですが、その中に「Common Seal (コモンシール) の採用」というものも含まれています。
コモンシールとは?
コモンシールとは、日本でいう印鑑登録した社印のようなものです。
シンガポール会社法で会社は必ずコモンシールを持つことが義務付けられています。
コモンシールは、その名の通りシールですので、シールに金属で社名を押し付けて文字を浮かび上がらせて使用します。契約書に押印するのではなく、このシールを貼付することになります。
コモンシールが登場する場面ですが、株券 (Share Certificate) への貼付はご覧になった方も多いかもしれません。それ以外は 正直、あまりないはずですが、重要な書類には貼付が要求されることがあります。
例えば 銀行からのローンや、金額の大きい賃貸借契約などの契約書では相手方からコモンシールの貼付を要求されることもあります。
コモンシールは自由に貼付できない?
そこで、万が一コモンシールの貼付を求められた場合、どうすればよいのでしょうか。
自由に貼付をしていいわけではありません。
コモンシールの貼付が認められる要件は定款で記載されますが、Director 2名の署名 (又は Director 1名 + 秘書役 1名の署名) が必要とされていることが多いです。また、通常取締役会決議が必要になりますので、「コモンシール」が必要となった場合には、取締役会議事録の作成をする必要がありますので、カンパニーセクレタリー (秘書役) に相談する必要があります。
そもそも 「コモンシール」 は秘書役が保管していることが多いので、いずれにしましてもカンパニーセクレタリーに確認することになります。
2017年3月31日以降、コモンシールの使用義務は廃止
従前はDeedとしての書面決議や株券(Share Certificate)などの書類にはコモンシールの貼付けが必要とされていましたが、2017年3月31日以降、コモンシールの使用義務は廃止されます。
コモンシールを使用しない場合には、以下いずれか2名の『Authorized persons』による署名で有効となります。
・A director and the secretary of a company (1名の取締役+1名のセクレタリー)
・Two directors of a company(2名の取締役)
・A director of a company in the presence of a witness who attests the signature(1名の取締役+1名のwitness)
なお、コモンシールを継続して使用することも認められています。
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