国際税務コラム

国際税務

日本・台湾間の日台租税協定が締結【2017年1月1日より適用開始】

日台租税協定 2017年1月1日より適用開始

※2017年10月18日 更新

 

 

2015年11月26日に日台租税協定が締結されました。2016年6月13日より発効し、2017年1月1日より適用が開始されます。

 

日本と台湾には国交がありませんので、この日台租税協定は正確には、国同士のいわゆる租税条約ではありません。

 

民間機関である公益財団法人交流協会と亜東関係協会との間で作成された「所得に対する租税に関する二重課税の回避及び脱税の防止のための公益財団法人交流協会と亜東関係協会との間の取決め」が正式名称となります。

 

本来であれば国同士で締結された租税条約の規定に基づいて運用されていくことになりますが、この取決めは租税条約に規定されたものではないため、両国の国内法に従って、取決めされた内容について実施されていくことになります。

 

日本側については、平成28年度税制改正により「外国人等の国際運輸業に係る所得に対する相互主義による所得税等の非課税に関する法律」(昭和37年法律第144号)が「外国居住者等の所得に対する相互主義による所得税等の非課税等に関する法律」に改正され、平成29年1月1日から施行されました。

 

これにより、平成27年11月26日に日本と台湾双方の民間窓口機関である公益財団法人交流協会(日本側)と亜東関係協会(台湾側)との間でされた取決めに規定された内容を日本国内で実施するための国内法の整備が行われ、租税条約に相当する枠組みが構築されました。

 

今まで、日本・台湾間には租税条約がなかったため、税務上不利になるケースがありましたが、今回の取決めが実施されることにより、日本・台湾間での取引について税務上様々な点で優遇されることになります。

主な改善点は下記の通りです。

 

源泉所得税の低減

今まで台湾子会社から日本親会社に配当、利子やロイヤリティを支払う場合、最大20%の源泉所得税が台湾で課税されていましたが、基本的には10%に軽減されます。

 

出張者への所得税二重課税の解消

日本から台湾への出張者について、今までは台湾での居留日数が91日以上の場合は台湾で課税されていましたが、183日未満であれば台湾で課税されないことになります。

『短期滞在者免税』とは?

台湾で課税されても日本で外国税額控除を適用することにより、二重課税は排除できる可能性はありますが、その手間を考えると、やはり免税というのはかなりメリットがあるのではないでしょうか。

JETRO参考記事

 

届出書類は通常の租税条約のものとは異なります

上述の通り、この取決めは租税条約ではなく国内法に基づいたものですので、この取決めによる源泉所得税の減免の適用を受けたい場合に所轄税務署に提出する届出の様式は、通常の租税条約の届出とは異なります。

 

『外国居住者等所得相互免除法に関する届出』というものがありますので、日台租税協定についてはこの届出を提出することになります。

 

様式は所得の種類により分けられておりますが、全ての様式について、国税庁のウェブサイトからダウンロードすることができます。

 

国税庁ウェブサイト『外国居住者等所得相互免除法に関する届出』

 

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