日本法人からシンガポール居住の取締役が役員報酬を受け取ったら?
日本法人の取締役(シンガポール居住)が日本法人から受け取る役員報酬
国際税務のカテゴリーで前回『シンガポール法人から日本居住取締役が役員報酬を受け取ったら』をご紹介しましたが今回はその逆を考えたいと思います。
日本法人の取締役 (シンガポール居住)が、日本法人から役員報酬を受け取った場合、日本・シンガポールでの所得税の課税関係はどうなるのでしょうか。
日本での課税
日本での課税とシンガポールでの課税について、『租税条約』を考慮しながら検討する必要があります。
日本・シンガポール租税条約では役員報酬について下記の通り、規定されています。
『一方の締約国の居住者が他方の締約国の居住者である法人の役員の資格で取得する役員報酬その他これに類する支払金に対しては、当該他方の締約国において租税を課することができる。』
つまり、日本法人から支払われる役員報酬は日本で課税できることになります。
具体的には、日本の国内法に基づき、日本で20.42%源泉され、残りの79.58%が本人に支払われます。
シンガポールでの課税
一方で、シンガポールでは原則として日本法人から支払われる役員報酬については所得税の課税の対象外であるため、シンガポールで課税されることはありません。
前回の記事、『シンガポール法人から日本居住取締役が役員報酬を受け取ったら』と比較してみると違いがわかりますが、日本居住者であると『全世界所得課税』のため、所得税の課税関係が少し複雑になります。
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