国際税務コラム

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RSUの所得税確定申告 & 売却前に移住すべき?【外資系サラリーマンは要注意】

RSUとは?

RSUについては外資系企業に勤めている方から多くお問い合わせを頂きますが、外資系企業に勤めている方の中にはRSUをインセンティブ報酬として受け取っていることが多くあります。

RSUとは『Restricted Stock Unit』の略で、譲渡制限付株式のことです。

このRSUの多くは日本法人の親会社(例えば、アメリカ本社)から報酬として付与されます。

日本で働いている従業員が、親会社である外国法人の株式を報酬として付与された場合、日本で課税関係はどうなるのでしょうか。

この場合、日本での所得税申告が必要になります。

 

年末調整されていても確定申告が必要

結論から申し上げると、たとえ収入が日本法人からの年末調整済みの給与所得だけで、他に所得がなかったとしても、上記のRSUについて日本での確定申告が必要になります。

RSUは、外国法人である親会社から受け取っているので日本で課税されないと思われる方もいるかもしれませんが、労務の対価として給付されたものですので、給与所得として取り扱われます。

従って、日本法人から支給された給与と合わせて、日本で確定申告をする必要があります。

もちろん、親会社から支給されたRSUについては、日本で源泉徴収されていませんので、日本法人の給与について既に年末調整がされていたとしても、改めてRSUを含めて確定申告を行う必要があります。

 

課税のタイミング

RSUの特徴としては、付与された株式について譲渡制限が付されているということです。

この場合、どのタイミングで給与所得して課税されるのでしょうか。

それは、譲渡制限が解除された日に株主としての権利が確定しますので、譲渡制限が解除された日をもって、その時点の時価相当額が給与として課税対象となります。

英語では、譲渡制限が解除されることをVested (権利が付与された)と言います。

 

時価相当額

時価相当額とは、譲渡制限解除日の市場価格 x 株式数 となります。

さらに、譲渡制限解除日の外国為替の売買相場で円に換算することになりますが、売買相場はTTM(対顧客直物電信売相場と対顧客直物電信買相場の仲値)を使用します。 

 

株式譲渡益に対する課税

上記の通り、RSUについては譲渡制限解除日に日本で給与所得として課税対象になるという説明を致しましたが、その後のその外国株式に係る譲渡益に係る課税については、外国株式を購入した際と同様に、その譲渡益に対して20.315%の申告分離課税になります。

ただ、これは日本で売却した場合の話です。

 

では、海外に移住してから売却したら課税関係は変わるのか?

では、日本で売却せずに、海外に移住してからその外国株式を売却すれば、その譲渡益(キャピタルゲイン)に対する課税関係は変わるのでしょうか?

答えは、「変わってきます」。

「その親会社株式はどこの国の法人が発行しているものか?」、また「どこの国に移住するか?」で課税関係は全く変わってきます。

もちろん、発行済み株式の何%を保有しているか、どれだけ保有しているかでも課税関係は変わってくる可能性があります。2015年7月1日以降は、国外転出時課税が適用されますので、その点も注意が必要です。

特に急成長している会社の株式を保有している外資系社員の方々は、多額のキャピタルゲインが生じる可能性があるため、事前に国際税務専門の税理士にご相談頂くことをお勧め致します。

 

税務署はRSUの付与を把握しているか?

外国親会社等からRSUに係る経済的利益の供与等を受けた役員・使用人が勤務する内国法人が税務署に対して『外国親会社等が国内の役員等に供与等をした経済的利益に関する調書』を提出することになっていますので、少なくとも税務署はその支払調書をもとに、日本の従業員にどれだけRSUが付与されたかを確認することが可能です。

ですので、RSUを確定申告していなければ税務署から問い合わせが来る可能性がありますので、事前にご対応頂くことをお勧め致します。

 

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【弊社でのサポート】

弊社では、RSUに関する下記のようなサポートを行っておりますので、お困りの際はお問い合わせフォームよりご連絡下さい。

・ RSUを付与された外資系社員の方の日本での所得税確定申告書作成代行

・ RSU / Stock Optionに係る支払調書の作成(親会社がRSU等を付与している外資系企業様向け)

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