国際税務コラム

シンガポール個人所得税

シンガポール個人所得税の税率【2018年最新の税率】

※2018年4月27日更新

シンガポール個人所得税の税率

シンガポールでは日本と異なり給与から所得税が源泉されることはありません。

その代わり、年に一度確定申告をする必要があります。

シンガポール所得税申告の流れ

 

シンガポールの所得税率 (住民税はありません) は累進税率となっており、所得が上がるにつれて、税率も上がっていきます。この点は日本と同じです。

 

2015年(2016賦課年度)の最大税率は20%のため、日本と比較するとかなり低いため、富裕層がシンガポールに移住したがる理由のひとつかと思います。なお、2016年(2017賦課年度)からは税率が少しアップしました。

 

2016年(YA2017)から所得税率がアップ

2017賦課年度(つまり、2016年1月1日から2016年12月31日までの所得)からは最大税率は22%となります。

→新旧税率表(外部 – IRASウェブサイト)

 

年間所得S$320,000を越える部分については税率22%となります。 なお、法人税率については17%のままで上げられる予定は今のところありません。

 

タックスリベート

上記の通り、シンガポール個人所得税率は日本と比べると低くなっていますが、さらに、政府からのボーナス的な要素としてリベート(Rebate) という税額軽減措置があります。

 

2014年度の所得税 (YA2015) については、
シンガポール居住者である全ての個人に対して、税額の50% (最大S$1,000) のリベートが与えられました。

つまり、納付すべき所得税額がS$800の場合はS$400のリベートが控除されるため、最終納税額はS$400になります。

 

個人所得税のリベートの推移は下記の通りです(2018年4月27日時点)。

リベートの金額は毎年シンガポール予算案で発表され、毎年変わる可能性がありますが、現在リベートはありません。

 

・ 2014年度の個人所得税(YA2015): 税額の50% (最大S$1,000)

・ 2015年度の個人所得税(YA2016): リベートはなし

・ 2016年度の個人所得税(YA2017): 税額の20% (最大S$500)

・ 2017年度の個人所得税(YA2018): リベートはなし

・ 2018年度の個人所得税(YA2019): リベートはなし

 

所得税額の試算

簡単にだいたいどのくらいの所得税額になるのかご紹介します。

 

前提

・年間給与収入:S$300,000(約2,400万円)

・その他の現物給与や所得はなし

・扶養家族なし/その他所得控除なし/所得税は自己負担

・55歳未満(55歳以上の場合、基礎控除の額が変わります)

・2018年度(YA2019)

 

所得税額

課税所得:S$300,000 – 基礎控除S$1,000 = S$299,000

所得税額:S$36,550 + (299,000-280,000) x 20% = S$40,350(約323万円)

 

所得税実効税率

実効税率:13.45% (S$40,350 / S$300,000)

 

非常にシンプルな設例ですが、約2,400万円の年収でも税率は13%程になりますので、やはり日本と比較すると相当低い税率になっていることがわかります。

 

なお、シンガポールには住民税はありません。