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【平成29年税制改正大綱】日本居住の外国人の多くが該当する『非永住者』に対する課税所得の範囲の見直し

【平成29年税制改正大綱】非永住者の課税所得の範囲の見直し

2016年12月8日、政府与党から 『平成29年度 税制改正大綱』が公表されました。

その中から今回は国際税務の改正の一つである、『非永住者の課税所得の範囲の見直し』について説明します。

その他の国際税務に係る平成29年税制改正大綱についてはこちらをご覧下さい。

国外財産に対する相続税等の納税義務の範囲見直し(5年→10年に変更)

外国子会社合算税制(タックスヘイブン対策税制)の改正

ビットコインなどの仮想通貨は消費税非課税に

 

そもそも非永住者とは?

非永住者とは、居住者のうち、日本の国籍を有しておらず、かつ、過去10年以内において国内に住所又は居所を有していた期間が5年以下である個人を言います。

ですので、外国人で日本法人に出向している方の多くはこの『非永住者』に該当することになります。

 

非永住者に対する課税範囲

現行法上、非永住者の課税範囲は所得税法第7条2項に下記の通り規定されています。

『非永住者 第九十五条第一項(外国税額控除)に規定する国外源泉所得以外の所得及び国外源泉所得で国内において支払われ、又は国外から送金されたもの』

 

つまり、下記が非永住者の課税範囲ということになります。

① 国外源泉所得以外の所得

② 国外源泉所得で国内において支払われ、又は国外から送金されたもの

 

国外源泉所得の範囲

上記の通り、非永住者の課税範囲を考える上で、『国外源泉所得』の範囲が重要になります。

『国外源泉所得』に該当する所得については、所得税法第95条1項及び4項に列挙されていますが、ここで注目すべきは『海外の上場株式』です。

 

現行法上の取扱い(2017年3月31日以前の譲渡)

現行法上、『海外上場株式の譲渡所得』は国外源泉所得の範囲には含められていません。

つまり、非永住者の課税範囲である ①国外源泉所得以外の所得に該当してしまうため、その所得の全てについて日本で課税されることになります。

国内において支払われている(又は国外から送金されているか)を問わず、全て課税されることになります。

※ 一定の国外事業所等の譲渡による所得については国外源泉所得に含まれますが、海外上場株式については国外源泉所得の範囲に含まれません。

 

税制改正大綱での取扱い(2017年4月1日以後の譲渡)

平成29年税制改正大綱において下記の通り、記載されています。

『非永住者の課税所得の範囲から、所得税法に規定する有価証券(過去10年以内において非永住者であった期間内に取得したもの(2017年4月1日以後に取得したものに限る)を除く。)で次に掲げるものの譲渡により生ずる所得(国内において支払われ、又は国外から送金されたものを除く。)を除外する。

(1)外国金融商品取引所において譲渡されるもの

(2)国外において金融商品取引業等を営む者への売委託により国外において譲渡されるもの

(3)国外において金融商品取引業等を営む者の国外営業所等に開設された有価証券の保管等に係る口座に受け入れられているもの』

 

つまり、海外上場株式の譲渡所得については課税所得の範囲から除かれることになります。ただし、下記の場合には課税範囲に含まれるため注意が必要です。

・ 非永住者の期間中に取得し、かつ、2017年4月1日以後に取得したもの

・ 国内において支払われ、又は国外から送金されたもの

 

【まとめ】海外上場株式の課税範囲

非永住者の海外上場株式の課税範囲についてまとめると下記の通りになります。

 

【2017年3月31日以前の譲渡所得】

全て課税

 

【2017年4月1日以後の譲渡所得】

下記のいずれかに該当すれば課税

・ 非永住者の期間中に取得し、かつ、2017年4月1日以後に取得したもの

・ 国内において支払われ、又は国外から送金されたもの

 

例えば、外国人が日本赴任前に上場株式を購入し、日本の非永住者となった後に当該株式を売却した場合などが考えられます。

その場合、2017年3月31日以前であれば、全て課税対象となります。一方で、2017年4月1日以後の譲渡で、国内において支払われ(又は国外から送金され)たものでなければ、課税対象にはならない可能性があります。

 

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