国際税務コラム

シンガポール税務

【シンガポール 法人税】開業費は損金算入できる?

シンガポールの法人税で開業費は損金算入できる?

日本で『開業費』について、税務上損金算入できますが、シンガポールでは注意が必要です。

シンガポールで『開業費』は、所得を獲得するための支出ではなく、所得を獲得できるようにするための支出であるため、原則として損金算入できないことになっています。

 

政策的配慮による例外規定

しかし、その『開業費』の範囲については実務的にはどこまでが開業費なのかグレーな部分も多いため、政策的配慮により、最初に売上を計上した年度の1年前の年度に生じた事務所・店舗家賃や水道光熱費などの費用(Revenue Expenses)については損金算入できます。

わかりにくい表現のため、以下で設例を用いて解説致します。

なお、ここでは開業日を『最初に売上を計上した日』としています。開業日の考え方については、最後の補足もご参照ください。

 

開業費損金算入の設例

〈設例〉
例えば、2015年5月1日にシンガポール法人設立、最初の売上が2017年3月に計上される場合。

 

最初に売上が計上される2017年の前年である2016年1月1日以降に生じた費用は損金算入することができます。

2016年1月1日から12月31日までに生じた費用及び2017年中に生じた費用は損金算入できますが、

2015年5月1日から2015年12月31日までに生じたものは損金算入できない、ということになります。

つまり、2015年中に大きな費用が生じる場合は売上を2016年から計上できるようにする、もしくは大きな費用が発生する時期を遅らせる、ということを頭の片隅に入れておいた方がよいでしょう。もちろん、会社運営に支障が出るような調整は本末転倒になってしまいますが。

 

シンガポールの会社設立費用は損金算入できる?

上記の通り、開業費は最初に売上が計上されるタイミングについて非常に重要になるため、これも加味してプランニングする必要があります。

なお、シンガポールの会社設立費用については、『所得を獲得するために要した費用(Revenue Expenses)』ではなく、Capital Expensesとして損金算入できないと考えられます。

どの開業費がRevenue Expensesとして損金算入できるのか、Capital Expensesとして損金算入できないのか、費用によっては判断が難しいケースもありますので、特に金額が大きい場合には事前に専門家にご相談することをお勧め致します。

 

開業日の考え方(補足)

上記の設例では、開業日を『最初に売上を計上した日』としていました。

ただし、利益を獲得するための構造が既に完成しており、事業が開始したとみなされる場合は、これをIRASに立証することができれば、例え売上がまだ発生していなかったとしても、その時点で開業日となり得る、とされています。

※2016年10月4日更新

 

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