シンガポール現地法人と駐在員事務所の違い(比較検討)

駐在員事務所の注意点① シンガポール駐在員事務所の活動範囲は極めて限定的

慎重にシンガポール進出を検討されている会社様に多い話ですが、いきなりシンガポール現地法人を設立する方が良いのか、それともまずは駐在員事務所で様子を見る方が良いのか?を迷われているケースがあります。

検討を行うにあたって、まずはシンガポールにおける【駐在員事務所】として活動できる範囲をよく知る必要があります。

駐在員事務所を管轄しているのは、IEシンガポールという所です。

※ なお、金融(銀行や保険会社など)や法律サービスなど他の官庁が管轄している業者の場合にはそれぞれの管轄官庁にて承認を受ける必要があります。

IEシンガポールのホームページを見ると詳しく説明されていて、その中で駐在員事務所として活動できる範囲も確認することができます。

結論としては、 基本的にシンガポールでの営業に少しでも関わることはNGになっています。例えば、現地の販売代理店のサポートなども禁止事項に入っています。

駐在員事務所として活動が認められているものは、例えば現地の市場調査や情報収集などです。

この活動範囲を知ることにより、『既に現地に販売代理店があってそのサポートも原則禁止されているのであれば、駐在員事務所だとやりたいことが全くできなくなってしまうため、現地法人で行こう。 』

もしくは、『市場調査をまずは行って、事業の目処を立ててから現地法人として進出したいので、駐在員事務所でまずは様子を見よう。』 などと、より論理的な判断ができるようになります。

 

駐在員事務所の注意点② シンガポールの低税率の恩恵は受けられない

上記の通り、駐在員事務所は営業はもちろん認められていません。

当たり前の話ですが、駐在員事務所としてシンガポール現地で売上があがるわけではなく、シンガポールで法人税が課税されることはありません。

つまり、シンガポールの法人税率17%という低税率の恩恵を受けることはできません。恩恵を受けるためには、現地法人で進出する必要があります。

 

駐在員事務所の注意点③ 費用の問題

もう一つ、検討すべき事項は費用の問題かと思います。

もし将来的に駐在員事務所から現地法人へと移行する場合の費用も確認しておく必要があります。

駐在員事務所から現地法人への移行は手続き的にはさほど難しくはありません。ただし、駐在員事務所の設立費用と現地法人の設立費用の両方が発生するため、設立費用が二重にかかることになります。

また、就労ビザの取得費用も二重で生じます。

駐在員事務所のもとでビザを取得していた駐在員が現地法人に転籍する場合、そのビザをそのまま現地法人に移行することはできません。駐在員事務所と現地法人は別会社だからです。

この場合、現地法人で改めてビザを取得し直す必要があります。

 

駐在員事務所の注意点④ そもそも駐在員事務所として進出できないケースがある

駐在員事務所を設立するためには、下記の要件を満たす必要があります。

 

・ 親会社の売上高がUS$250,000超であること

・ 親会社は設立から少なくとも3年以上経過していること

・ 駐在員の予定数が5名未満であること

 

現地法人の場合はこのような制限はありませんが、上記の要件を満たさない場合は駐在員事務所を設立することはできません。

 

駐在員事務所の注意点⑤ 期限がある

駐在員事務所はあくまでも現地法人又は支店設立までの一時的なものと位置付けられています。

従って、原則として最大3年間(1年ごとの更新制)とされています。つまり、駐在員事務所を設立して3年以内には閉鎖するか、現地法人又は支店に切り替える必要があります。

なお、場合によっては1年又は2年限定での設立を許可される場合もあります。

いずれにしましても、切替がスムーズにいくように事前にスケジュールを専門家と相談頂くことをおすすめ致します。

 

では、どのような場合に駐在員事務所として進出するケースが多いか?

上記では駐在員事務所のデメリットばかり挙げていますが、もちろん駐在員事務所として進出するメリットもあります。

まずは、撤退のし易さです。現地法人で進出して思ったような収益があげられずに撤退ということになった場合は少なくとも6ヶ月以上は清算手続きに時間がかかります。

一方で、駐在員事務所であれば、撤退は簡単です。オンラインで撤退手続きを簡単に済ませることができます。

従って、大企業がまずは市場調査だけを行うために駐在員を数名派遣して、収益がある程度見込めると判断できた時点で、現地法人に切り替えるというケースがあります。

中小企業の場合、上記注意点④の通り、そもそも駐在員事務所として進出できないケースもありますし、やはり低税率の恩恵を受けられないデメリットが大きいため、いきなり現地法人で進出するケースが多いという印象です。

 

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