国際税務コラム

シンガポールGST(消費税)

シンガポールにおける消費税【GST】は登録制のため要注意

GSTは登録制になっている

シンガポールにおける消費税 【GST】 の登録についてご紹介させて頂きます。GSTは、日本における消費税と似たような制度と考えて頂いて問題ないかと思います。

シンガポールにおけるGSTの税率は2016年3月22日現在 7% です。

GSTは登録制となっており、登録した企業のみがGST申告を行うことができます。

従って、GSTの還付が受けられるような状況であったとしても、GST登録をしていなければ、還付申告を行うこともできないということになります。

また、GST登録をした企業でなければ、GSTを乗せて請求することもできません。

シンガポールGST申告の流れ

 

GST登録の種類

GST登録は大きく分けて下記二つあります。

① 強制登録

② 任意登録

1年間の課税売上高がSGD1,000,000を超える 又は 今後1年間の課税売上高予測がSGD1,000,000を超える場合は①強制登録 となります。

ここでいう課税売上高とは、国内売上 (7%課税取引) 及び 輸出免税等売上 (0%課税取引) が含まれますが、非課税売上、不課税売上は含まれません。

シンガポールGSTの取引の種類【輸出免税取引など】

 

なお、上記の条件を満たしていない場合にも登録することができます。それが②任意登録 です。還付できる場合などにはあえて任意登録するという場合もあります。

 

任意登録する場合の留意点

ただし、任意登録の場合はGIRO (自動引き落とし制度) に加入しなければならなかったり、銀行保証(一般的にはSGD20,000が相場)が求められます。還付ポジションであればすぐに任意登録かというとそういうわけにもいきません。いくつか検討する上での留意点をご紹介します。

 

検討① GST申告費用がかかる

GST登録をすると、原則として4半期に一度決算を占めてGST申告をする必要があります。

つまり、今まで年に一回しか帳簿をしめていない会社はGST申告のために4半期に一度帳簿をしめる必要があるということです。その結果、GST申告 及び 四半期決算 を会計事務所等に外注する場合にはその費用も考えなければなりません。また、社内での事務的な煩雑さも増す可能性があります。

それらの費用を考慮しても、申告した方が有利な場合はGST登録をした方が良いということになります。

 

検討② 一般的な卸売会社の場合は?

物をシンガポールで仕入れて、シンガポール国内外で販売するケース。

物をシンガポールで仕入れる場合、基本的にはGSTがかかりますので、もし登録していなければ一方的に仕入れに係るGSTだけを御社が負担することになります。

GST登録をすればメリットを享受できる可能性があります。

シンガポール国内販売を行っていれば、仕入れに係るGSTと売上に係るGSTを相殺できます。つまり、仕入れに係るGSTを全額負担せずに、売上に係るGSTと相殺できるため負担は軽減することになります。

なお、支払った全てのGSTを相殺できるとは限らないため注意が必要です。

控除できない仮払GSTとは?

 

また、シンガポール国外への輸出販売を行っていれば、それらは0%課税売上になりますので、申告すれば仕入れに係るGSTを還付できることになります。

従って、国内で仕入れ、輸出を行っている場合は基本的にはGST登録をした方がよいでしょう。

上記の通り、GSTは節税できる可能性がありますので、会社設立した時点(もしくはそれよりも前から)でGSTのシミュレーションをすることにより任意登録するか検討頂くことをお勧めします。

また、シンガポールにはGSTについても様々な優遇税制がありますので、合わせて検討する必要があります。

シンガポール物流拠点で使えるメジャー・エクスポーター・スキーム

 

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